正論より提案が人を動かす ―伝え方一つで変わるコミュニケーションの力―

あなたはこれまでに、
「相手のためを思って伝えたのに、無視された」「むしろ反発された」
そんな経験はありませんか?
こちらは善意で言っているつもり。
相手の成長や良い未来を願っているのに、
なぜか距離ができてしまう。
その瞬間、
「なんで伝わらないんだろう…」
とモヤモヤしたことがある方は多いはずです。
実はその原因、**言っている内容ではなく“伝え方の順番”**にあることが多いのです。
正論で伝えると、なぜ人は動かなくなるのか
人は誰かに何かを頼むとき、どうしても「正しさ」から入ってしまいます。
- 〜するべき
- 社会人なら当然
- 前の現場ではこうだった
言っていることは正しい。
聞いている側も頭では分かっています。
でも心ではこう感じてしまうんです。
「私のやり方はだめなの?」
「なんで上から言われなきゃいけないの?」
この瞬間、相手の心に“防御”が生まれます。
正論が人格否定のように受け取られることがあるからです。
正しさが壁になってしまうんですね。
正論が機能するのは“関係性がある場”だけ
正論が使える場面はあります。
- 師弟関係
- 先輩後輩の文化が強い組織
- 指導を受ける前提のトレーニング環境
そこでは、正しさを伝えることが役割であり、求められています。
しかし、フラットな関係や普段の職場で同じように正論を出すと
「なんでそんな言い方?」
「決めつけられたくない」
と、反発を生むことが多いのです。
私が実際に経験したできごと
私が新人の頃、挨拶が小さいとよく注意されました。
「もっと大きな声で挨拶しなさい」
当然、正しい話です。
でも言われるたびに、私は萎縮しました。
「また怒られた」
「ダメだと思われてるんだ」
そのうち、相手を避けるようになりました。
挨拶が大きくなったわけでもなく、ただ距離が生まれただけ。
そんなとき、別の先輩がこう言いました。
「ちゃんと大きな声で挨拶すると、
○○さんも君のことを理解してくれるようになるよ」
責めるのではなく、未来のメリットを提示してくれたんです。
その言葉を聞いた瞬間、
私は「じゃあやってみよう」と自然に思えました。
同じ内容でも、言い方で人は変わる。
それを身をもって感じた出来事です。
人は“自分で選んだ”と思えたときに動く
正論は正しい。
でも人が動くのは、正しさではなく納得感です。
- × 正しさを押し付ける
- ○ 行動したくなる未来を見せる
人を動かすのは命令ではなく、共感と提案です。
まとめ:正論は武器。提案は橋。
正論は使いどころを誤ると、相手を遠ざけます。
一方、提案は心に橋をかけます。
正論は従わせ、
提案は自発性を引き出す。
誰かに何かを伝えるとき、ぜひ自分に問いかけてみてください。
「正しさを押していないか?」
「相手が“やりたい”と思える伝え方か?」
その意識だけで、コミュニケーションは大きく変わります。